史上最速優勝。「強すぎるバイエルン」を印象付けた今季の3試合 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by Getty Images

 そのまま決定機を作ることなくハーフタイムを迎えようとしていたが、バイエルンが試合の流れを変えるには1プレイで十分だった。前半終了間際、この試合初めて空中戦での競り合いを制したマンジュキッチがヘディングで先制点を奪う。それまでレバークーゼンのDFは体を張ってマンジュキッチを完璧に押さえ込んでいたが、相手より早くジャンプし相手の肩を腕で抑え込んだその巧さに、45分でさえ耐えるのは困難だった。

 試合は後半にもシュバインシュタイガーが直接FKを蹴り込み、「飛び道具」で2点をあげたバイエルンが勝利し、改めてその強さを見せつけることとなった。

 ただでさえ抜群のパスワークの前に成す術なく散っていくチームが少なくないなか、必死でゴール前を固めて守り切ろうにも高さでこじ開けられてしまってはもはや手の打ちようがない。もはやバイエルンの攻撃を止める手段はないとすら思えてくるほどだ。

 今季のバイエルンは、昨季から続くリーグ戦無敗記録を52試合に伸ばし、その他にも様々な記録を更新し続けている。27試合で25勝2分けと圧倒的な強さを誇り、現在19連勝中と、対戦相手は引き分けに持ち込むことすらできない。正直なところ、シーズン終了までにこのバイエルンを止めるチームが現れるとも思えない。そしてもしそうなれば、ブンデスリーガ第24代王者は、その歴史で初めて無敗でシーズンを終えることになる。

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