史上最速優勝。「強すぎるバイエルン」を印象付けた今季の3試合

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by Getty Images

 バイエルン・ミュンヘンが7試合を残し(第27節終了時点)、早くも通算24度目のドイツ王者に輝いた。もちろんこの「3月優勝」はブンデスリーガ史上最速のもの。昨季自らが打ち立てた最速記録(第28節終了時)をわずか1年で塗り替えてしまった。

 勝てば優勝が決まるヘルタ・ベルリン戦(3月25日)でも開始15分を待たずに2点を奪い、いつも通りに勝利して優勝を決めた。

優勝を喜ぶバイエルンのリベリー(中央)、ラーム(左)ら優勝を喜ぶバイエルンのリベリー(中央)、ラーム(左)ら 思えばバイエルンの強さを改めて思い知らされたのは、前半戦のヘルタ・ベルリン戦(2013年10月26日)だった。この試合、ヘルタは試合開始早々にCKから先制に成功すると、リードを活かしてしっかりとした守りからカウンターを仕掛け、後方のスペースを有効に使ってチャンスを作ることで試合を優位に進めていた。攻守が切り替わった瞬間からの12秒間での得失点をランキングにすると、ヘルタは2位のバイエルンを上回りリーグ最高成績を誇る。とりわけボールを奪ってからの素早い攻撃には迫力があり、バイエルンのように全体を押し上げて攻撃するチームにはより威力を発揮した。

 だが、グアルディオラ監督の動きは速かった。26分までに2枚の交代カードを使ってFWマンジュキッチと攻撃的MFゲッツェを投入し、高さを活かした戦いに切り替える。すると交代で入ったマンジュキッチがFKに競り勝ってすぐさま同点に追いつくと、後半には再びマンジュキッチがFKからヘディングで決めて勝ち越した。さらに決して大柄ではないゲッツェも頭で追加点を挙げるおまけ付き。結局グアルディオラ監督の采配を見事に遂行したバイエルンが、3ゴールすべてをヘディングで奪い3-2で競り勝ってしまった。

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