伝統の一戦 クラシコ。レアルとバルサ、それぞれの変遷 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 相手を挑発するように勝利への執着心を見せるモウリーニョと、淡々と我が道を行く求道者然としたグアルディオラという指揮官の対照的なキャラクターもまた、クラシコの魅力となっていた。

 そして一昨季、グアルディオラがバルサの監督を退任したのに続き、昨季いっぱいでモウリーニョもレアルの監督を退任。現在はバルサのヘラルド・マルティノ、レアルのカルロ・アンチェロッティと、いずれも今季就任した新監督が指揮を執っている。伝統の一戦もまた、新たな時代を迎えたと言えるだろう。

 さて、現在のスタイルはというと、モウリーニョ・グアルディオラ時代に比べ、両者の立場はずいぶんと様変わりした。バルサがポゼッションサッカーを推し進めているのは相変わらずだが、レアルもまた、かつての堅守速攻からポゼッションサッカーへと、そのスタイルを変化させている。

 そのことが特徴的に表れているのが、ボランチである。長らく2ボランチ(4-2-3-1)をベースに、シャビ・アロンソとサミ・ケディラがコンビを組むことが多かったレアルだが、ケディラの負傷離脱をきっかけにシャビ・アロンソの1ボランチ(4-3-3)へとシフト。これが攻守両面でバランスのよさをもたらすこととなった。

 結果的に志向するサッカーばかりか、フォーメーションのうえでも"似た者同士"となった今季の両者だが、レアルの完成度はバルサを上回ると言ってもいいだろう。それは第27節終了時点でレアルが勝ち点67と、3位バルサに勝ち点4差をつけてトップを走っていることからもうかがえる。

 とはいえ、昨年10月26日(現地時間)にカンプ・ノウで行なわれた今季最初のクラシコでは、ホームのバルサが2-1で勝利している。調子や勢いだけで語れないのが因縁うずまく伝統の一戦 クラシコなのだ。

 もちろん、今季の優勝争いの行方を占うという意味でも、今回のクラシコは見逃せない。レアル、バルサにアトレティコ・マドリードを加えた3強による優勝争いは激しさを増しており、リーガ制覇のためには互いに落とせない試合でもある。

 今回で227回目を迎える伝統の一戦 クラシコ。勝利の美酒に酔うのは、果たしてレアルか、バルサか。

 注目の伝統の一戦 クラシコは日本時間3月24日午前5:00、レアルのホーム、サンティアゴ・ベルナベウでその幕が切って落とされる。

『名将オシムが斬る!レアル×バルサ クラシコ直前祭~フォルラン緊急参戦!』
3月21日(金・祝)夜7:00~ WOWOWプライム ※無料放送

伝統の一戦 クラシコ R・マドリードvsバルセロナ
3月24日(月)午前4:55~ WOWOWライブ

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