内田篤人、無念。レアル大勝が証明したシャルケとの圧倒的な実力差 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 両者は全力を尽くすことは前提としつつも、圧倒的な実力差という現実を見捉えた上で試合に臨み、結果はその通りとなったというわけだ。リーガ・エスパニョーラで3試合の出場停止処分を受け、2月2日以来の試合となったクリスティアーノ・ロナウドは、2ゴールをあげたにもかかわらず「良い試合のひとつにすぎない」と、冷静なものだった。

 勝負と関係ないところで、ドイツメディアがこの試合で注目したのはシャルケのMFドラクスラーのプレイだ。昨年末から負傷のため離脱しており、先週末のマインツ戦で途中出場を果たしたばかりだが、この試合には先発。ドイツ代表として最年少出場記録を持つ20歳は、将来の夢はレアル・マドリードでプレイすることと公言している。いずれにせよ夏のW杯後には強豪への移籍が確実視されており、ビルト紙(電子版)の関連記事のタイトルは「夢へのスタート」だった。

 そのドラクスラーは試合後、心底落胆した様子で語った。

「ミスが多すぎた。レアルは僕らを叩きのめした。僕らは全力を尽くしたがレベルの違いが出てしまった。僕自身も同点ゴールを決めなくてはいけなかった」

 同点ゴールとは、ベンゼマのゴールで13分に先制されたその1分後、ファルファンのクロスにゴール前で合わせたが、カシージャスに阻まれたもの。そのこぼれ球にマイヤーがつめたがこれもディフェンダーによって防がれた。この試合でシャルケにとってもっとも大きなチャンスの一つだった。

「でも1-6で敗れたのだから、その1点が決まっていても試合は変わらなかったということだろう」

 ドラクスラーはにこりともしなかった。

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