判定に激怒。マンC監督ペジェグリーニの本気度 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 試合後の記者会見の席上、ペジェグリーニ監督は、苦々しい表情で審判についてこんなことにまで言及した。

「彼は以前バルセロナ対ミラン戦で笛を吹いており(2011~2012シーズンの準々決勝、結果は0-0)、そのときはバルサに不利な笛を吹いた。だから今日は逆のことをしたのだろう。スウェーデン人だからレベルが低い」

 英語で淡々と話す様子から怒りが伝わってきた。それだけ彼にとってチャンピオンズリーグは重要な大会なのである。

 ちなみに試合前に、モウリーニョがこの試合の中継局であるITVのインタビューに対し「ここ数年で最悪のバルサ。マンCにはチャンスがある」と述べたことは大きな話題となった。昨季までレアル・マドリードの指揮を執り、現在はチェルシーを率いるモウリーニョが、かつてのライバルの現在を否定するだけでなく、現在優勝を争っているライバルと比較する。マンCのペジェグリーニは、レアル・マドリードではモウリーニョの前任者でもあった。そんな因縁もあって、英国のメディアはこのニュースをこぞって取り上げていた。現在の欧州を代表する監督たちのつばぜり合いも、チャンピオンズリーグならでは、である。

 2点のアウェーゴールを決めてホームへ戻るバルセロナ。バルサが圧倒的に有利な状況にあるのは間違いない。だがバルセロナのマルティノ監督は気を引き締める。

「去年のグループリーグで、マンCはバイエルンにホームで負けた後、アウェーで勝っている」

 この日のパフォーマンスを見る限り、得点差ほどの力の差があるようには見えない。ペジェグリーニ監督は昨季、マラガを率いて準々決勝まで進出している。ビジャレアル時代にもビッグクラブを破って準決勝や準々決勝に進出するなど、チャンピオンズリーグを熟知する彼にとって、マンCを率いて昨季のマラガの成績を超えられるかどうかはひとつの挑戦になる。セカンドレグ(3月12日)が消化試合になる保証はない。

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