本田圭佑はイタリアのマスコミをあまり気にしないほうがいい (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 さて、先週のコラム(1月28日配信「決勝点アシストの後、本田圭佑が抱きついたのは誰だ?」)で、本田は練習場ミラネッロで働く人々の心をつかみ始めていると書いたが、本田自身もミラネッロのスタッフの温かさに感激しているようだ。いや、本田だけではない。一度でもロッソネロのユニホームを着たことがある選手ならば、ミラネッロが大好きになるはずだ。

 実際、先日監督としてミラネッロに戻ってきたセードルフは「長い間留守にしていた我が家に帰ってきたようだ」と言った。カカも以前、ここを離れる時にはスタッフ全員と抱擁を交わし、戻ってきた時は子供のようにはしゃいでいた。

 ミラネッロは昨年の11月に50周年を迎えた。60年代、当時のリッツォーリ会長が威信をかけて建設した、世界中のどんなチームも羨むような練習場だ。広さは16平方キロメートル、自然の森に囲まれ選手は落ち着いた雰囲気の中で練習することができる。グラウンドは6面あり、4面は天然芝、1面は人工芝、もう一つは雨天でも練習できるよう、かまぼこ型のドームで覆われている。その他にガッビア(檻)と呼ばれる周囲を高い壁で囲まれたコートが有り、ノンストップのハードなミニゲームが行なわれる。

 練習場の中央にはロッカールームがあり、トレーニングジム、リハビリ用のプールが併設されている。ジムのマシンは個々の選手に合ったトレーニングができるようコンピュータで管理されている。メインのクラブハウスには二階に選手の個室と会議室、一階には記者室、会見ルーム、ビリヤードルーム、"暖炉の間"と呼ばれる応接室、バール、レストランがある。

 また地下には最新鋭のスポーツ科学を応用したメディカルセンター"ミランラボ"があり、各分野の専門家が揃って選手をサポートしている。フィジカル面だけではなく、メンタル面のケアもできるようになっており、世界中のチーム関係者がひっきりなしに見学に訪れている。こうした設備の揃ったミラネッロはサッカー選手にとってはパラダイスだ。


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