決勝点アシストの後、本田圭佑が抱きついたのは誰だ? (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 セードルフ監督はカリアリ戦のあと、本田の加入がミランに多くの力とプロ魂をもたらしたと再確認したようだ。コッパ・イタリア敗退の後、マスコミから叩かれていた本田にとっても、この試合の勝利と活躍は、よいリベンジとなっただろう。セードルフは選手と対話をするのが好きな監督だが、特に本田と話しているところをよく見かける。彼の選手としての才能だけでなく、約束には絶対に遅れないという人間性も高く評価しているようだ。

 イタリア語習得に関しても、本田は練習に向かうのと同じ熱心さで頑張っている。この調子だと彼がイタリア語オンリーでインタビューを受けたり、記者会見をする日もそう遠くないのではないかと、ミランのスタッフの間ではもっぱらの評判だ。

 さて今週も彼の家探しは続いている。やはりミラノの中心ドゥオモ広場に近い地区は魅力的なようで、先日は家族と共にフラテッリ・ガッバ通りにある、アントニオ・カッサーノが昔住んでいた家を見に行った。ここはおしゃれな店が軒を並べるマンゾーニ通りのすぐそばだ。この家を見学中、本田は偶然カカと出会い言葉を交わしている。カカは今も、そして以前にミラノにいた時もこの近くに住んでいて、本田がこの家に決めればご近所さんとしてカカがいろいろ案内してくれるだろう。

 もう一つの候補にあがっているのが、古い見本市会場に近い地区である。ここはミラネッロに向かう高速の入口のすぐ近くで、ミラノの街中の渋滞に巻き込まれず練習に行けるのはかなり魅力的だ。サンシーロスタジアムも目と鼻の先である。それになにより2ヵ月前、ミランは47年間慣れ親しんだ中心部のトゥラーティ通りの本部を引き払い、この地区のアルド・ロッシ通りに新オフィスを構えたのだ。

 新オフィスは斬新なデザインの大きなビルで"カーサ・ミラン"と呼ばれている。今後は記者会見や数々のレセプションなどもここで開かれるようになるはずだ。今はまだ工事中だが、近い将来、ショップにレストラン、バール、ミュージアムも併設される予定で、ミラニスタの一大拠点となるはずである。


オフィシャル誌編集長のミラン便り>

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