内田篤人も感嘆。エース復活でシャルケ5位浮上 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 そのフンテラールがようやく復帰した。立ち上がり、後方からのパスをいとも簡単にトラップし、味方につないでチャンスへと変えた。内田が感心したように振り返る。

「久しぶりに見たけど、うまいね。すごい。ボールを収めるというのはああいうことを言うんだなと思った。俺も試合中に何回かボールを蹴るんだけど、それを普通に体をぶつけて収めて、(右MF)ファルファンとかに落として前を向けるっていうのは、すごいな。楽だし、時間ができる」
 
 そのフンテラールが先制点を生んだ。前半34分、ファルファンのクロスをきっちり頭で合わせた。近くのディフェンダーに挟まれてはいたが、頭一つ分高く飛び、コースもタイミングもクロスにぴたり。得点後はベンチに走り、ケラー監督と喜びを分かち合った。

 そんなシーンの背景を内田が語る。

「今日、スタメンでいくかいかないかを監督とフンテラールは話し合っていたと思う。フンテラールはたぶん最初から90分、いきたいんだろうね。でも監督はそういう監督じゃない。ケガには慎重に対応してくれる。パパ(CBのパパドプロス)とか俺の時もそうだったし。だからフンテラールが言ったんじゃない? 出たいって。それで実際に出て、点をとってあれだけ(ボールを)収めたんだから......」

 感嘆の口調は半ば呆れているようでさえある。

 後半に入ると、シャルケはファルファンのキレのあるプレイで2点を追加した。2点目はGKからの長いボールをディフェンスの裏で受け、飛び出した相手GKをあざ笑うかのようにネットを揺らす。3点目はファルファンが猛スピードでドリブル突破。相手を振り切ると、マイナスのパスをマイヤーがダイレクトで流し込んだ。起点となったのは内田のパスをフンテラールがいったん収めてつないだシーンからだった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る