セードルフは彼の経営する日本料理店で本田圭佑と話をするはずだ (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 監督交代で、やることはたくさんあるし、おまけに今のところは家族もいないので、本田は専念して仕事に打ち込んでいる。連日、日本から来たマスコミをはじめとした報道陣が彼を追っているが、あまりそういった騒ぎは好きではないようだ。まずは一日も早くミランのプレイのメカニズムにできるだけ早く慣れ、シーズン後のブラジルW杯に向けて準備したいというのが彼の当面の目標であろう。

 チームメイトとの関係は良好で、かなりのスピードで皆の心をつかんでいる。練習の合間には仲間とジョークを言い合ったり、ふざけたりする様子も頻繁に見受けられるようになった。ミラネッロのスタッフたちも彼のプロ意識と礼儀正しさには非常に好意を持っている。しかし前回のコラム(1月16日配信「ミランのオフィシャル誌編集長が明かす本田圭佑との初対面」)でも触れたとおり、本当に心を通わすのにはイタリア語は不可欠だ。そこで30年近くミラネッロの責任者を務める名物所長、アントーレ・ペローソは今週から本田のためのイタリア語の特別レッスンを予定している。

 新監督としてミランに戻ってきたクラレンス・セードルフはすぐに本田の優れた資質がわかったようだ。優秀な監督は、すぐに優秀な選手がわかるのだろう。しかし互いをよく知るためにも、近いうちにミラネッロ以外の場所でセードルフと本田の会合が開かれるはずだ。場所は彼の経営する創作日本レストラン。実はセードルフは寿司や刺身、それに焼き鳥などといった日本食が大好きで、ついには自分でレストランまで開いてしまったのだ。

 レストランの名前はフィンガーズ・ガーデン。おしゃれでセレブなミラノっ子からは人気の店で、ミランの選手もよくここに顔を出す。私も何度かおじゃましているが、味も絶品だ。共同経営者でもあるシェフの日系ブラジル人、ロベルト・オカベ氏が作る料理は本田もきっと気に入るはずだ。時には故郷の味を堪能して、ぜひ明日のプレイへのパワーの源としてもらいたい。


オフィシャル誌編集長のミラン便り>

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