不本意な今季前半戦。内田篤人、清武弘嗣、長谷部誠が語る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • Photo by GettyImages

 一方、ニュルンベルクはさらに深刻だ。17戦中、この日で11回目の引き分け。ついに1勝もしないまま前半戦を折り返すことになった。順位は17位と自動降格圏内。勝ち点は最下位ブラウンシュバイクと並ぶ11で、得失点差で上回っているにすぎない。

 清武弘嗣は少しだけ笑顔を見せながら試合を振り返った。表情が緩んだ理由はウインターブレイクに突入すること、そしてこの日はまずまずの攻撃の形が作れたことの2点だろう。

 清武はまずこの日勝ちきれなかった理由を「決定力不足」と一刀両断した。だがそれでもフェルベーク監督が就任した第10節以降、サッカーの内容は向上しており、自分たちがボールを保持し試合の主導権を握ることができているため、「手応えを感じている」と明かす。

「最近は相手に合わせるんじゃなくて、自分たちのサッカーができてますし、来年、このまま良いサッカーを続けられれば、絶対残れると思うので」と語る様子は、けっして口先だけで虚勢を張っているようには見えない。

「正直、この半年やっていてすごく苦しかったです。でも、最後の3試合ではすごく自分を持ち直してやれたので、良くなったと思います。チームとして良いサッカーができたと思うので、このままもっともっと監督がやりたいことを浸透させてやれればいいなと思います」 

 内容に手応えを感じる分、結果を渇望しているようだった。もちろん結果を求めているのは長谷部誠も同様だ。

「今やっていることを続けるしかない、チャンスは僕が来たばかりのときよりは作れるようになっている。バイエルン以外のチームとはやりあえるのでは、という自信がある。でも、得点を決める、決めないは大きな差。入らなければ(さらに)チャンスを作るしかない」

 自分たちのサッカーに自信を持ちつつある。だが、結果はまだ出ていない。手応えと課題、どちらをより大きく感じているのか。

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