香川真司がマンUの苦境を吐露。「チームは自信を失っている」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 だが、「それがなかなかうまくいかなかった」と振り返りながら、話は自然にチーム状況へとシフトする。

「なかなかリズムがつかみにくかったですし、チームとして2連敗して、ひとりひとりが自信を持つことができなかったんじゃないかなと思う。そういう意味では、今日の試合に勝つという結果が必要でした。もちろん課題もあるんですけど、とりあえず結果。2連敗はすごく痛かった。精神的にも痛かった」

 香川自身にはそういう状況の中で心がけていることがあるのだと言う。

「精神的なところで言えばギリギリの戦いかもしれないけど、自分に言い聞かせているのは、この状況を楽しむということ。こういう経験というのは自分のために絶対必要ですし、こういう厳しいレベル、厳しい環境の中で戦い抜いたときに選手として成長できると思っているので。結果が出ない時期というのは本当につらいですけど、前向きにやるように心がけたいと思ってます」
 
 マンUの選手でも2連敗すれば自信を失うという事実には、驚きすら感じた。自信を失うなどということが本当にあるのかと聞いてみると、香川は「そうですね......」と言って少し考え、そして続けた。

「(説明が)難しいですけど、確かに経験のある選手は多いし、ビッグプレイヤーが多い中で、やっぱりこれまでうまく戦えてないというのは......。僕としてもヨーロッパに来てこういう経験は初めてに近い。ドルトムントではうまく行き過ぎていた部分もあったんで、ここでは試行錯誤しながら......。良いときがあれば悪いときがある、悪いときがあれば良いときもある。良い流れの時にはそれをどこまで継続し強い状態を保てるかが大事だし、今はすごく苦しい時期ですけど、ぶれずにやることが大事。監督も代わったので、チームとして監督についていき、一つの方向に向かうのが大事だと思います」

 まるで敗戦後のようなコメントだが、チームも香川自身もどれだけ苦しんでいるかというのはダイレクトに伝わってきた。今後もマンUは一進一退を繰り返すだろう。性急な結果を求めがちだが、少し気を長くして見守っていく必要がありそうだ。

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