CSKAでの最終戦。本田圭佑、「失敗」の4年を語る

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • 千葉格●写真 photo by Chiba Itaru

「自分に納得できない4年間だったなと感じている。それが自分の中にあるということは、まだまだ成長できると僕は信じているし、ここの4年間で学んだことを次に生かしたいと思いますね」

 CSKAモスクワでの4年間を終えた本田圭佑は試合後にそう語った。「自分に納得できない」――CSKAでの最終戦もそんな「本田らしい」試合だった。

チャンピオンズリーグ、プルゼニ戦に出場した本田圭佑チャンピオンズリーグ、プルゼニ戦に出場した本田圭佑 チャンピオンズリーグ、グループリーグ最終節。プルゼニ(チェコ)に乗り込んだ本田は、試合開始をベンチで迎えるになった。その予兆が無かったわけではない。先週末のリーグ戦では前半38分に交代を命じられており、この試合の前日練習でも控え組としてプレイしていたという。

 本田を欠いたCSKAは前線にボールの収めどころを作ることができず苦しんだ。相手に押され気味に試合を進められ、ボールを繋いでも相手のブロックの外を回すだけで守備陣を崩すことはできない。前半のCSKAはFWムサのスピードを活かした数本のカウンター以外、チャンスらしいチャンスを作ることはできなかった。

 後半が始まると間もなく、1人でアップを始めていた本田に声が掛かる。トップ下としてピッチに入った本田は、すぐにその存在感を発揮し始めた。中盤の真ん中、相手が作るブロックの間でボールを引き出し、相手が寄せてくるとパスをサイドへ散らしていく。テンポよくパスが回り始めたCSKAは立て続けにシュートを放った。

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