全試合出場中の酒井宏樹。「3強」との戦いで得たものは? (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by GettyImages

第7節 レバークーゼン戦 0-2(9月28日)

 わずかなズレや一瞬のスキが最も顕著な形で現れたのはレバークーゼン戦だろう。この試合、レバークーゼンは実に狡猾に2点を奪って勝利を決めて見せた。試合後、酒井は「押されてはいましたけど、集中力の欠如で点を決められたので個人的にはすごく悔しい。ポイントを取って帰れるような試合だった」と、振り返った。

 ハノーファーが「集中力の欠如」を見せたのはセットプレイの場面だ。接触プレイで負傷したCBが一時的にピッチを離れると、直後のセットプレイでマークを外して失点してしまった。CBの不在から生じたマークのズレを突いたレバークーゼンは実に試合巧者だった。

 優位に立ったレバークーゼンは、失点したことで少し前掛かりになったハノーファーの後ろのスペースを突いて追加点をあげる。あとは試合を安全に終わらせるだけだった。この試合、ハノーファーがゴール前を崩された場面はほとんど無かった。だが、レバークーゼンは一瞬のスキを見逃さず、試合の流れを引き寄せて確実に勝ち点3を手にしてみせた。

第5節 バイエルン戦 0-2(9月14日)

 一方、圧倒的な攻撃力でスキを作られてしまったのがバイエルン戦だ。この試合、ハノーファーは押され気味の展開ながらも、最後のところで体を張り、前半を無失点で終えた。だが、試合後に酒井が「最後は両方、ふくらはぎも太腿(もも)裏もつってました」と漏らしたように、バイエルンの絶え間ない攻撃はボディーブローのようにハノーファーにダメージを与えていた。

 それにより、バイエルンのMFクロースがするするっとエリア内に侵入していくのにハノーファーの選手が気付けなかったのは無理もないのかもしれない。バイエルンはそのチャンスを見逃さず、マークのズレを突いて先制点を奪った。

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