今季初先発。マンU香川真司は復活のきっかけをつかんだか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

「咳がとまらない感じで、スプリントしたあとゼイゼイするのが精神的に影響したというか......」
 
 集中し切れない状態ながら、必死にプレイを続けた。

 この日のポジションは4-4-2の左MF。かなり中央よりでプレイする香川独特のスタイルを見せたが、これがここまでのマンUのサッカーを一変させた。

 ボランチが両サイドに蹴り分け、ロングボールを多用するサッカーではなく、中盤を使い時間と人数をかけて押し上げるサッカーを見せる。ライバルと目されたフェライニとの関係も良く、縦パスからゴールに向かうようなシーンもあった。

 22分の先制点は、香川が後方からのパスをヘディングで左サイドへとつなぎ、オーバーラップしていたエブラがクロスを上げルーニーが決めたものだ。

「上手くいい形で崩せたんじゃないかなと思います」

 好プレイは随所に見せた。前半終了間際にも、ペナルティエリア内で胸トラップから右足のシュートを放つが、これはほんの少し枠をそれた。

 一方で、「シュートで終わろうと思っていた。でも、余裕がなかったと感じてた」と、体調不良の影響も感じていた。本人としては、この日のプレイに全く納得がいかない様子だ。

「満足感? 全然ないですね。僕はもっとやらなくちゃいけないし、試合をやりながらもっとできると感じていた分、納得いかない試合になっちゃったなと思います」

「僕はやらなくちゃいけない」というのは、ここまで出遅れているからだと受け取れた。つまり、強烈に焦っているということだ。

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