香川真司、酒井高徳、長谷部誠...。欧州組に代表戦の影響あり?

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 ガーナ戦から中3日の14日。マインツ対シャルケ、つまり岡崎慎司対内田篤人の日本人対決も本来のクオリティではなかった(結果は1-0でシャルケの勝利)。ガーナ戦前に負傷のため離脱した岡崎は先発出場。だが味方とのタイミングが合わず、ボールを受ける回数が少なかった。さらにはバックパスをさらわれたところから失点し、シュートを1本も放てないまま、57分にこの日の交代一番手で退いた。

 一方の内田はそれなりの出来映えか。大きなピンチを作ったわけではないが、指揮官から求められる攻撃性を発揮することはできず、ビルト紙の評価は4と低調だった(採点は1~6で最高点が1)。内田の場合はここ2年ほど右太もも肉離れを頻発しているため、チャンピオンズリーグと次節のバイエルン戦を終えた後のドイツ杯ではベンチ外になる可能性が高い。

 ガーナ戦から5日後の15日には、日本代表の主将である長谷部誠が、ニュルンベルクでの初戦、ブラウンシュバイク戦を迎えた(結果は1-1のドロー)。期限ギリギリでの移籍決定で、長谷部はチームに合流することなく、メディカルチェックのみをすませて日本に帰国した。そのため、ニュルンベルクでの練習は実質的に代表戦後の3日間だけだった。それでも、ほとんどの選手がボールを持った時に長谷部を探している。ロングボール一辺倒だったサッカーが少しは中盤を使うようになるなど、チームに変化の兆しをもたらしている。「選手の名前は覚えたけど、細かい特徴なんかはまだ」と、長谷部は現状を明かす。

 ただし個人的なパフォーマンスという意味では、良い時の長谷部にはほど遠い。「(もともと)展開力なんかは自分の持っているもの。ブンデスでボランチで勝負していくには守備力を上げたい」と言うが、守備では競り合いに負けることも多く苦戦していた。また、長谷部独特のスピードある攻撃参加も見られず、まだまだと言わざるを得ない。

 とはいえ清武弘嗣は「ハセさんが一番しゃべっていた(声を出していた)し、ボールはつなげるし、僕的にはとてもラクだった」と言う。『「今後はリーダーシップも発揮していかないといけない」と、以前、話していたが?』と聞かれると、「それはハセさんが入ったんで(もういい)。僕はゴール前に専念」とニヤリとしてみせた。

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