新天地の岡崎慎司、好調マインツと日本代表を語る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

――決まるまではスムーズでした?

「昨季が終わるときにはもう、これ以上シュツットガルトにいることは考えなかったです。あと結局、コンフェデ杯の2得点は大きかったんじゃないかなと思っています。それが最後の一押しになったかな、と。仮に僕のことをいいと思っていたとしても、やっぱり去年1点の選手だし、試合に出ても60分で交代することが多いし。『日本では90分間出ていて、点も決められるんだ。ちゃんと使えば点を取れるんじゃないか』と思ってもらえたのかもしれません」

――実際にマインツというクラブの雰囲気はどうですか。

「まだ日が浅いので、いろいろなシーンで、シュツットガルトだったらどうだったかなと思いながら見ています。全然違いますよね。ここは町のクラブ、という感じかな。こういう(練習場の)のどかな環境もそうだし、選手も変にエリート意識みたいなものを持ってないんです。たとえば用具をみんなで運んだりするし。飯を食いにいっても、ここでは自由解散なのですが、シュツットガルトのときは段取りがいくつもあってそれが終わらないと帰れなかったりしたんです。僕が思うに、たぶんシュツットガルトはクラブとして上昇志向があって、世界とか欧州にアピールしたいこともある。でも、マインツは現状を維持したい。そういう違いがあると思います。GMがファン感謝祭で『うちはこういうクラブだ』と話したりするんですけど、年俸の高い選手を獲って強くするというより、良い選手が出てきたら外に出して、また若いのが入ればいいと思っている。でもその分、一体感がありますね。みんなで戦っている感がある」

――ピッチ内ではどうです?

「やっぱりゴール前のチャンスは少ないです。90分間しっかり戦って、勝ちを獲りにいく感じです。耐える時間も長いので、だからこそ大事な場面で決めることが必要になる。今の自分のペースで90分間やったときに、大事なときにパワーを出せるか、決められるかがポイント。今は90分間走りながらも、起点になったり、大事なところでダッシュできるか、技術を出せるかを意識しています」

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