新天地の岡崎慎司、好調マインツと日本代表を語る

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 第3節が終わったブンデスリーガ。バイエルン、ドルトムント、レバークーゼンという昨季の3強と並んで3連勝しているのがマインツだ。昨季はドイツ杯こそ8強に進出した が、リーグ戦は13位だったチームが上々のスタートを切った。そのマインツに移籍し、開幕から先発出場を続けている岡崎慎司に話を聞いた。

ブンデスリーガ第3節、ボルフスブルク戦に先発した岡崎慎司(マインツ)ブンデスリーガ第3節、ボルフスブルク戦に先発した岡崎慎司(マインツ)――まずは移籍の経緯を聞かせてください。昨季最終節後、シュツットガルトのラバディア監督から「コンフェデ杯があって合流が遅れるのだから、試合には出られないつもりで戻ってきて欲しい」と言われたそうですが......。

「ラバディア監督はそう言うけど、状態がよければ使うんですよ(笑)。そういうこととは関係なく、自分はやっぱり環境を変えたかったんです。シュツットガルトで十分活躍したならともかく、昨季は1得点ですからね。得点以外はよかったかもしれないけれど、フォワードとしての結果が出てないのだから、こういう移籍は決していいことだとは思ってないんですけどね。単純に自分に力がないなと思ったし、葛藤もありました。こんな結果で移籍というのはどうかな、と。でも、環境を変えたい、もう1回新しいところでやりたいと思ったんです。で、ブンデスで自分を求めてくれるところはないかと代理人と話し合って、マインツにはこちらから連絡しました。そうしたらトゥヘル監督が、今いろいろなインタビューで言ってくれているのですが、前から自分のことをいいと思っていてくれたらしくて」

――そのことは事前に把握していたのですか。

「知らなかったですね。でも、自分はいいチームだなと思っていた。いや、シュツットガルトにいた頃はどこもいいチームに見えましたけどね(笑)。チームにはタイプがあって、シュツットガルトというのはコンセプトがはっきりしてないのが良さだと思うんですが、自分にはそれが難しかった。たとえば誰かがいても、やりたいようにプレイして前に入ってくるヤツがいる。だからボールを奪われるとカウンターになる。その可能性を考えながら攻撃するのと、後ろを信頼できるから攻撃にいけるというのとでは違うんですよ。マインツはそういうところをクリアしていて、みんな一生懸命だし、ブンデスでも評価の高い監督だし、いいなと思っていました」

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