本田圭佑と日本代表のために、CSKA残留もひとつの選択肢 (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by GettyImages

 しかも、来年1月の頃にはミランもチームとして形が出来ている可能性があり、そんな中で、チャンピオンズリーグに出場できない本田が割って入り、主力としてプレイする地位を手に入れるのは困難だと見るのは当然のことである。

 さらに言えば、仮にミランの攻撃陣が好調をキープし、来年の1月に敢えて戦力を補強する必要がない状況になったとすれば、ミランが今夏に合意したという本田との約束を反故にする可能性さえ否定できない。海千山千のミランのガッリアーニCEOにとって、移籍話の朝令暮改など朝飯前。本田サイドとしては、突然はしごを外されることも想定して、今から手を打っておかなければならない。

 つまり、この夏の移籍期間が終了するまでに、本田サイドは最低でもミランとCSKAの間で来年1月の移籍についての合意を取り付けておく必要がある。

 例えば、この夏に違約金なしでスペインのビルバオからユベントスに加入したジョレンテは、ビルバオとユベントスの板挟みになりながら、今年1月に今夏の移籍についてのクラブ間合意を取り付けている。確かにフリートランスファー(移籍金なしの移籍)について半年も前に合意することは稀(まれ)なケースであり、その裏にどんな取引があったのかは神のみぞ知るだが、もともとヨーロッパの移籍マーケットはそういうハイレベルな駆け引きの中で動いている世界なのだ。

 そして、もしこの夏にミランとCSKAの間で合意できなかったとしたら、本田はCSKAとの契約を延長するという道も模索したほうが賢明だと思われる。もしミランが約束を反故にした場合、自由契約となった本田が違約金なしで次のクラブを探し、今よりもよい条件で新契約を結べる保障はどこにもないからだ。

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