バルセロナの新指揮官、マルティノ監督の「サッカー哲学」 (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Michiko Yamamoto photo by Rafa Huerta

 10年前にメキシコで流行った『Andar conmigo』(私と共に歩んで)という曲で、「あなたに話したいことがたくさんある。知りたいことがたくさんある」というフレーズから始まるこの曲は、運命に導かれた出会いを描いており、一緒に歩いていくことで、少しずつお互いを知っていけるという内容だ。そしてこの歌は、「私と一緒に歩いていきたいと言って」という意味の言葉で終わる。

 現実は、歌のように美しく進むかどうかはわからない。サッカー哲学が似ていても、内容の伴う試合をしても、もし3試合連続で負けたら、ファンやメディアはすぐに新監督の手腕に疑問を投げかけるだろう。

 マルティノは言う。「このチームで、タイトルがひとつも取れなかったら、それは完全なる失敗だ。この重責は、バルセロナの監督として背負わなければならないリュックだ」と。

 自らの手でメッシとネイマールの「夢の競演」の指揮を執ることになるヘラルド・マルティノ。最高のオーケストラを与えられたマルティノが、指揮者としてどんな音色を奏でてくれるのか。マルティノ新監督がバルサを最初に率いることになるのは、8月2日、バルセロナ対サントスのジョアン・ガンペール杯になると見られている。


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