テベス、ジョレンテ...着々と成果を上げるユベントスの補強戦略 (3ページ目)

  • アントニオ・バリッラ●文 text by Antonio Barillà
  • 内海浩子●訳 translation by Uchiumi Hiroko

 さて、今後の夏の移籍市場展開だが、補強をさらにより良いものとするために、強力なサイドを一人狙ってくるだろう。獲得リストのトップにあるのはズニガ(ナポリ)。3-5-2、3-3-4、4-3-3のどれになってもOKの理想的な選手である。だがナポリは門外不出を宣言しており、来年で契約が切れ移籍金ゼロで手放さなければならない可能性があることなど気にする素振りすら見せていない。

 ユーベはまだアタックを続けるだろうが、固いガードを破れない確率は高い。代案としてコラロフ(マンチェスター・シティ)を検討しているものの、高くつくだけでなく、マイコンをローマに放出した後だけにシティも容易には手放せまい。パルマとサンプドリアが共同所有するビアビアニも代案リストに残っているが、エスパニョールのムバラクはもうないだろう。

 ユーベが補強のターゲットとする全ての選手は、監督の意見と合意を取り入れてのものとなっている。日々の動きはコンテに伝えられ、補強戦略を共通認識にした上で進められている。MFジャッケリーニの放出の際もそうだった。コンテは彼を手放すつもりなど夢にも思っていなかっただろう。だがサンダーランドからのオファー額は、ユーベの収支の鍵となりえるほどのものであり、断りきれないと判断しゴーサインを出したのである。

 MFイスラを巡るインテルとの交渉も消えてはいない。だが然るべき額をインテルが提示しなければ放出する必要はなく、残留するなら100%の信頼を彼に寄せるという見解で、フロントとコンテは意思統一ができている。

 移籍市場が閉まるまでまだ1ヵ月以上あり、突然の意外な移籍もありうるし、状況次第というものもある。例えばもしサイドの補強が成功したらデ・チェーリエの放出話はさらに加速するだろう。

 クアリアレッラとマトリには特にイングランドからの引きがある。FWの数に関してはマロッタも言うようにユーベの方針は明らかだ。つまり6FWは多すぎるため、9月2日までにクアリアレッラかマトリのどちらかが出ていくことになるだろう。だがその一人がサプライズでブチニッチという可能性もゼロではない。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る