香川真司がトップ下で披露した「プレミア1年目との違い」 (3ページ目)

  • 鈴木英寿●文 text by Suzuki Hidetoshi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 香川はこう振り返る。

「(トップ下はパスの)出し手であり、受け手でもあるので、その両方を生かせば、さらにチームとしてレベルが上がる」

 香川にとってのプレシーズン初戦は、決定的な仕事を成し遂げたとは言いがたい。だが、今季からコーチ兼任の大ベテラン、ギグスはこう香川を評している。

「シンジの1年目はよくやったよ。明らかに彼はハイレベルな選手。テクニックも十分で、中盤のスペースで仕事ができ、ゴールも決められる。2年目もユナイテッドにとって、重要な選手となる」

 香川本人は慎重に言葉を選びながら、「あくまで今日のプレイは、すべての始まり」と語った。だが、ギグスの言葉からもうかがえるように、チーム内での信頼は高まっているように映る。

 一方、新しい指揮官となったモイーズ監督は、「シンジを見てから、たった1日しか経っていない」と言いつつも、「今後の活躍次第で良いポジションを与えていきたい」と、香川の初戦を総括している。「良いポジション」とは、すなわちトップ下に他ならない。

 新指揮官からトップ下として全幅の信頼をつかむための次の戦いは、7月26日に待っている。対戦相手は、古巣のセレッソ大阪だ。今後、香川真司がユナイテッドでどのようにポジションを確立していくのか、目が離せない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る