ブラジルが3連覇。コンフェデ決勝の勝負を分けたふたつの「スーパープレイ」 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi photo by Matsuoka Kenzaburo

 確かに、スペインはブラジルと比べて厳しい条件でこの試合を迎えたことは間違いない。酷暑のフォルタレーザでイタリアと延長まで120分を戦い、しかも休息日はブラジルよりも1日少なかったことは誰もが認める事実である。

 ただ、仮にブラジルと同じ条件で戦ったとしても、今日のブラジルの勢いを止めて勝利の女神を振り向かせることは、世界王者スペインをしても不可能だったと思われる。

 いや、むしろ準決勝と決勝で無得点に終わったスペインを見る限り、その黄金期が終焉を迎えつつあるように感じてならない。去年のユーロ連覇はそれまでの貯金を使って果たしたタイトルだとすれば、もはや今大会のスペインは貯金をすべて使い果たしたような印象さえ受けてしまうのだ。

 そうはいっても、現状、スペイン、ブラジル、そしてドイツを加えた3チームが優勝候補であるという状況に変化はない。今大会の結果を受けて、ブラジルが来年のワールドカップの優勝候補最右翼と言うには時期尚早だろう。2014年のW杯ブラジル大会の頂点を目指す戦いは、さらに熾烈になっていくはずだ。

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