コンフェデ準決勝。
王者スペインを苦しめた「ユベントス・イタリア」

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi photo by Getty Images

「両チームとも、ヨーロッパトップらしい素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。特に前半は完全にイタリアに支配されていたが、それでも我々は時間が経過するにつれてリズムを取り戻すことができたと思う」

 ただし、最終的にブラジルとの決勝戦に進出することとなったスペインではあるが、疲労という側面を差し引いても、攻撃の単調さは否めなかった。シャビ、イニエスタのコンビを中心に展開するパスサッカーは、スペースを的確に消すイタリアの守備の前に沈黙。ゴールの糸口がまったく見えないという時間帯が続いていた。

 また、この日スペインのワントップに入ったフェルナンド・トーレスも、前半に1回だけ際どいシュートを放った程度で、相変わらずトップフォームとはほど遠い出来に終わっている。攻撃の手詰まり感は、そう簡単には解消できそうもない。

 デル・ボスケ監督は、迎える決勝戦について「ブラジル有利だ。ブラジルはワールドカップで5回優勝し、コンフェデレーションズカップも3回優勝している。とにかく、我々はエネルギーを回復させて、できるだけ良いコンディションで臨みたい」と、相手へのリスペクトを含めたコメントを残している。

 たしかにブラジルはホームアドバンテージに加え、日程的にも有利な立場にある。酷暑の中、イタリアと延長まで120分間を戦ったスペインにとっては、極めて厳しい条件下での決勝戦ということになる。

 現状、同じ条件で戦えばスペイン有利は否めないこの対戦も、この準決勝を終えた段階では、ほぼ互角。あるいはデル・ボスケ監督が言うように、ブラジル優勢で試合が展開する可能性は十分にある。

 それだけに、予想困難でスリリングなファイナルとなりそうだ。

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