際立った名将フェリペの「監督力」。地元ブラジルがコンフェデ決勝へ (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi photo by Fujita Masato,Matsuoka Kenzaburo

 そこで思い出すべきは、ウルグアイが苦戦した今大会初戦のスペイン戦の前半だ。あの試合、ウルグアイは南米スタイルの守備で真っ向勝負を挑んだことにより、スペインのパスワークでそれを外され、空いたスペースを使われて次々にピンチを招いた。

 そして、準決勝で対峙したブラジルはヨーロッパスタイル。ある程度深く守って縦への推進力を失わせることができれば、ウルグアイの個々の守備力があれば十分に弾き返すことができる。ある意味、ブラジルの攻撃が手詰まりになったのは当然だった。

半年前からブラジル代表を指揮するフェリペ監督。かつてはジュビロ磐田でも監督を務めた半年前からブラジル代表を指揮するフェリペ監督。かつてはジュビロ磐田でも監督を務めた それでもブラジルは前半にフレッジのゴールで先制し、リードして後半に入った。そして、ブラジルが勝利できた次のターニングポイントは、後半立ち上がり早々にウルグアイがカバーニのゴールで追いついた後のことだった。

 悪い流れにしびれを切らしたフェリペ監督は、後半19分にフッキに代えて地元アトレチコ・ミネイロのヤングスター、ベルナルドを投入。縦に仕掛けては潰されていたフッキから、空いたスペースに動いて素早く味方にボールを預け、「パスアンドゴー」を繰り返すベルナルドに代えたことで、明らかに流れは変わった。

 さらに9分後、フェリペ監督はトップ下のオスカーに代えてエルナネスをピッチに送り込み、このチームの攻撃的オプションの4-3-3にシステムチェンジ。中盤の「3」は、ルイス・グスタボを中央で守備に専念させ、推進力のあるパウリーニョを右に、交代で入ったエルナネスを左に配置。これで攻撃がさらに活性化した。

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