混戦のW杯南米予選。アルゼンチン突破は9月に持ち越しへ (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by AP/AFLO

 エクアドルは右のバレンシア、左のモンテーロによるサイドアタックを多用しクロスからチャンスを狙う。一方のアルゼンチンはロングシュートを積極的に放つ。打てるチャンスには打ち、シュートで終わることを徹底した。高地特有のボールの伸びや変化に期待したものだが、パスを回さないことで体力の消耗も防げる。先制点も、ディ・マリアのロングシュートをGKが弾いてもつれたことがPKに繋がっている。

 前半はアルゼンチンの省エネサッカーが狙い通り行なわれた。しかし後半は完全なエクアドルペースになる。それを象徴するかのように、次から次へとCKになる。

 メッシは60分から出場し、数回ドリブルからシュートへ持ち込んだ。しかしスコアは動かない。85分にはマスチェラーノの退場でアルゼンチンが10人となり、結局、同点のまま試合終了を迎えた。

 エクアドルのルエダ監督は、「いいサッカーをしたが、ミスも多かった。コロンビアはホームでアルゼンチンに負けている。我々も(先制され)負けるところだったので、この勝ち点は大きい。勝ちに等しい」と語り、メッシも、「これでまたW杯に近づいた」と、共にこの結果を前向きに受け止めた。

 他の会場では、コロンビアがホームでペルーを2-0で撃破。コパ・アメリカ王者ながらここで敗れると後がなくなるウルグアイは、ベネズエラ相手のアウェー戦をカバーニの1発でものにした。サンパオリ監督に替わってから調子を取り戻したチリは、ホームでボリビアに3-1の勝利を収めている。

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