W杯南米予選。メッシ、ペケルマン率いるコロンビアを崩せず (2ページ目)

  • 三村高之●文 text and photo by Mimura Takayuki

 ペケルマンが着手したのはチームの規律とメンタルの強化。スーパースターのファルカオも特別扱いせず、刺激を与えて競争意識を高めた。また、高い得点能力を持ちながらトラブルメーカーのグティエレスとはしっかり話し合い、チームへの忠誠を誓約させた。意識改革と規律重視でチームは結束。それが就任後7勝1分け2敗(W杯予選は5勝2敗)という好成績につながり、選手は自信を深めている。

 さらにこの一戦でのペケルマンの強みは、アルゼンチン代表に招集された26名のうち、21名もの選手をA代表やユース代表で指導し熟知していることだ。

 試合は立ち上がりからスリリングな展開が続いた。アルゼンチンはアグエロとイグアインがゴールを脅かし、コロンビアもファルカオが惜しいシュートを放つ。アルゼンチンで攻撃の要となったのは、中盤の右サイドに入ったディ・マリア。得意のドリブルで何度も相手DF陣を切り崩し、チャンスを演出した。15分にはFKのこぼれ球を、イグアインがゴール正面の至近距離から強烈なシュートを放つも、GKオスピーナが奇跡のセーブ。GKには当たっている(ついている)日があるもので、この日のオスピーナがまさにそれ。決定的なピンチを何度も救った。

 26分には完全に抜け出したイグアインとオスピーナが交錯。この際、足を出し合ったイグアインとコロンビアDFのサパタとイグアインが退場となった。また32分にはコロンビアの中盤のキーマンであるロドリゲスが負傷で交代。両監督とも戦術の修正を余儀なくされた。

 後半開始直前には、スタンドからメッシコールが沸き上がった。そして57分、ついにメッシが登場する。ファーストプレイは圧巻で、ドリブル突破から完璧なシュートシーンをお膳立て。しかし、これもオスピーナに防がれた。1人で試合を変えてしまうかと思われたメッシだが、やはりまだ本調子ではなく、その後は目立った活躍ができなかった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る