酒井高徳インタビュー「ブンデスでの苦楽と日本代表への思い」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text and photo by Ryokai Yoshiko

――準備が通用しない面白さ、ですね。

「そうですね。やはり映像じゃ分からない、やってみないと分からないことがあります。あと、チャンピオンズリーグみたいな雰囲気は楽しいなと思います。試合前に音楽が鳴って、カメラがぐーっと来たりして。それで勝った時は嬉しいし、自分が上がっていく実感があるので、楽しさを感じました」

――最後はラツィオ戦で敗退。強さを感じました?

「これもまた面白い話なのですが、すごく強いとは感じなかったんですよ。むしろ勝てると思ったけど、やっぱり徹底度が全然違いました。僕らがやらなきゃいけないことを、向こうのほうがしっかりこなしてきた。大してすごいことをやっているわけじゃないけど、たぶん戦術なんだな、という感じですね。スパーリングを受けているような感じというか、練習通りにやられました、という感じ。僕らが結構前がかりで来るから、ボールをとったときにしっかりカウンターで攻めると決めて、初戦はその通りの形で2点をとられました。中盤で奪ったボールは常にサイドバックの裏に蹴れ、フォワードはサイドバックの裏に走れ、というのが徹底されていました。ボールをとられた後、いつも僕の横を通されて、ずっと後追いをするようになってしまったのですが、それも、一回相手を背走させて、それで相手の視野を奪って何かをしようという意図なのかなと思うくらいでした。なんでこいつら、こんなにSBの裏にボールを出してくるんだろうと思ったのですが、うちに比べてその戦術の徹底ぶりがまず違いましたね。うちにはそれが欠けていると、ヨーロッパリーグでは思いました」

――ドイツや他の欧州のメディアでは移籍話も見うけられますね。

「勝手に盛り上がっているなという感じですね」

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