ドイツ勢同志のCL決勝直前、現地報道はドルトムントの圧勝

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 ゲッツェを除けば、選手よりも目立つのは監督のクロップに関する記事だ。クロップは決勝後、チームから30万ユーロ(約4000万円)のボーナスを得ることになっているという。ちなみに選手が受け取るのはその半分。各紙のタイトルになるのはもちろんクロップの金額のほうで、本人は「でも僕は契約書の内容をよくわかっていない」と語っている。

 イギリスの高級紙ガーディアンが掲載したクロップのインタビューも話題になった。日本ではマンチェスター・ユナイテッドに移籍した香川真司の起用法について触れた部分が紹介されていたが、キッカー誌が見出しを立てて伝えたのは「ゲッツェの移籍で心臓が張り裂けそうだった」という部分だった。

 もうひとつ、ドルトムント出身で今年からバイエルンの取締役に就任したザマーとクロップの小競り合いにも注目が集まっている。5月4日のブンデスリーガでの対戦では、選手の退場処分を巡って、ベンチの前でクロップがザマーにかみつき、インタビューでも批判するというシーンが見られた。「さて、決勝ではどうなる?」と、ビルト紙は2人の応酬を面白がっている。

 報道の量ではドルトムントに劣るバイエルンだが、23日にはビルト紙が、現バイエルン監督のハインケスに「レアル・マドリードから2年契約のオファーがあった」と報じた。確かにこの一戦を最後に現職を退くことだけが決まっている老将の去就は関心事。だが、勢いと若さが魅力的に映るのか、やはり一面はクロップに奪われてしまうのだ。

 2年連続の決勝進出となるバイエルンに対して、ドルトムントは優勝した1996~97以来の決勝進出になる。新鮮で話題豊富なドルトムントに肩入れするドイツのサッカーファンは多い。

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