CL決勝展望。雪辱を期するバイエルンか?16年ぶりのドルトムントか? (3ページ目)

  • photo by Getty Images

 フォーメーションはほぼ同じ「4-2-3-1」。サッカーのスタイルも少し似ていて、ドイツ代表選手がそれぞれのチームの中核にいる。フィジカルの強いドイツのチームが、速いパス回し、組織的な守備を実行している。ドイツはそれができる技術力、能力のある選手を、育成システムを整備して育ててきた。今回のCL決勝のドイツ勢対決は、ドイツサッカー界全体の育成の成果ともいえるのではないか。

 ドルトムントでは、ワントップのレバンドフスキに注目している。ドルトムントはひとりでどうにかするというよりも、連係で崩していくスタイル。つまり、コンビネーションで点をとっていく。

 そのチームにあって、レバンドフスキはCLの舞台ですばらしいパフォーマンスを見せており、ビッグクラブへの移籍の噂が出ているのもうなずける活躍だ。ドルトムントが攻撃を組み立てるとき、彼が起点になるのは間違いない。

 バイエルンのFWはおそらくマンジュキッチだろう。守備での貢献が評価されている選手だが、彼も含めてバイエルンは前線の選手の守備意識が高い。両サイドのリベリーもロッベンもさぼらないでDFラインまで戻る。規律正しく、守備をさぼらないという部分がバイエルンの特長のひとつ。ロッベン、リベリーら一流の選手たちに、規律を守らせる監督のマネジメント能力の高さの表れだろう。メッシやクリスティアーノ・ロナウドのような飛び抜けたスーパースターはいないが、だからこそチームとして、組織としてまとまっていると考えることもできる。

 今季のバイエルンは失点が少なく(リーグ戦34試合で18失点)、チームとしての完成度が高い。個人の能力、経験値、選手層など、バイエルンが1枚上という印象だ。ミュラー、シュバインシュタイガーやラーム、リベリーやロッベンなど調子のいい選手が多い。

 中盤とサイドの攻防も見どころで、楽しみなポイントのひとつだ。ドルトムントにもグロスクロイツやロイスら非常にいい選手がそろっているが、推進力という点ではバイエルンのリベリーとロッベンが上ではないか。このふたりは「うまい」というより「怖い」。わかっていても止められない迫力がある。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る