故障と誤報に襲われた長友佑都。イタリアでの今季の評価は? (2ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by SINO/FOOTBALL PRESS

 そして、この言葉は今季故障続きだった長友佑都にも言えるのかもしれない。

 ふくらはぎ、そして膝の故障とその再発。長友個人にとっても苦しい1年だった。イタリアの3大スポーツ紙のシーズン平均評価は5.61。同じポジションだとズニーガ(ナポリ)が5.93、コンスタン(ミラン)が5.83、パスクアル(フィオレンティーナ)6.22。目安としては「6」が合格ラインで「5」以下が不合格だから、特別悪い数字ではない。インテル全体の出来を考えればマシだったとも言える。だが、いい点数ではないのは確かだ。

 誤報や推測報道によってファンの誤解を生むシーズンともなった。例えばSKY SPORTの「長友は"故障再発に"腹を立てていた」というレポートが、「"インテルに"腹を立てていた」や「"チーム医師団に"腹を立てていた」に言葉がすり替わって報じられた。「膝の手術を選択しなかったのはコンフェデレーションズでプレイしたいため"らしく"」、「それでモラッティは彼に憤慨している"らしい"」の、"らしく"や"らしい"が取れて報じられたこともあった。このため一部のサポーターからは「もっとインテルに忠誠な選手だと思っていたのに......」と怒りや落胆の声も聞こえてきた。

 しかし、これも長友が注目されているゆえのことだろう。このようなすれ違いには、言葉以上にピッチで返答する必要がある。このことは来季へ向けてのひとつのモチベーションとなるだろう。

 総体的には、今季の長友の出来は故障に左右されたものであり、再起を期すインテルの一翼を担う戦力という見方が一般的だ。シーズン途中には2016年6月までの契約延長にサインした。長友は"新インテル"を作る一員にカウントされているのである。

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