リーグ優勝しても批判続出。バルサに改革は必要なのか? (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko
  • photo by Getty Images

 しかし、交渉は最終段階と思っていいだろう。ネイマールの加入は、バルサにとっては「メッシ依存症」の解決策のひとつになり、メッシにとっては、現状で満足し、成長を止めないためのカンフル剤になるだろう。

 また、補強の理想としては、中盤にひとり、DFラインにひとり、と各ラインにひとりずつ選手を加えることなのだが、DFに関しては特に注目されている。というのも、バルサはまず、第一に正GKビクトル・バルデスの代わりになるGKを補強しなければならず、その新しいGKの能力やタイプによって、補強するセンターバックのタイプが変わってくる可能性が大きいからだ。

 DFラインを高くし、GKとセンターバックがビルドアップに参加していくバルサのサッカーは、特に両者の連係が重要になる。正直、V・バルデスの同等のレベルのGKが簡単に獲得できるとはバルサも考えておらず、現在はバルサのカンテラ育ちのペペ・レイナ(リバプール)と、ボルシアMGのマルク・アレグレをダブル補強する案などが出ている。レイナについては、リバプールがバルサのFWクリスティアン・テージョとのトレード移籍を望んでいるとも報道されている。

 センターバック候補には、フンメルス(ドルトムンド)、ティアゴ・シルバ(PSG)の名前が挙がっている。いずれにしても、システムに当てはまると確信が持てない選手に多額の移籍金を払う姿勢はクラブ側にないため、交渉はハードなものになるだろう。バルサは昨年、金額面で折り合いがつかず、ハビ・マルティネス(バイエルン)を獲得しそこねている。

 選手自身はバルサ入りに興味を示していたにもかかわらず、バルサは決心がつかなかったのだ。「たられば」はスポーツ界に存在しないとわかっていても、もし、ハビ・マルティネスが今季バルサでプレイしていたら、ブスケッツの負傷、プジョルの負傷の穴をカバーし、また、チャンピオンズリーグでもファイナルに勝ち進んでいたのは、バルサだったかもしれない、という考えを捨てきれないでいる現地メディアは多い。

 いずれにしても、現時点でバルサが補強すべきポイントは、はっきりしている。続けていく路線もわかっている。監督を代える意向はない。この3つが見えているのだから、来季の進路を恐れる必要はどこにもない。

 あとは、昨年のハビ・マルティネスの獲得失敗のような事態にならないように、クラブ幹部と強化担当が速やかに交渉を進めることを望むだけだ。ビラノバ監督の調子が戻り、必要な選手の補強に成功するかどうかが、来季の成功の鍵を握っている。

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