手術は成功。サネッティ復帰を確信する声がイタリア中に広がっている (2ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by AFLO

「私がインテルの監督だった時、一番助けてくれたのが彼だった」(ルチェスク/現シャフタール監督)、「私の55年のキャリアの中で、彼に優る情熱とやる気に満ちた選手を私は見たことがない」(ジジ・シモーネ/現クレモネーゼのスポーツ・ディレクター)、「彼は、どんなことへも心構えができている」(モウリーニョ/現レアル・マドリード監督)など、彼を指揮した元監督たちも彼の人間性を口にせずにはいられない。そしてサネッティを直接知るからこそ、彼らはみな、復帰を疑っていない。

 サネッティ本人もその気持ちは同様だ。パウラ夫人は語る。

「幸いにも夫は精神的に強く、すでに復帰を考え始めています。これもこの仕事のリスクのひとつとわかっていますから、私たちは落ちついて対処していくつもりです」

 4月30日、サン・マッテオ総合病院でサネッティは手術に臨んだ。執刀医はインテルの外科コンサルタントでもあるフランチェスコ・ベナッツォで、「復帰の目途は半年後」とのことだ。手術に臨む彼の様子を聞かれた同医師は、「動揺している彼を見たことがありますか?」と逆に問いかけ、「ケガをした28日の夜、"タイヤ交換をしに来た!"と言ってこの病院にやって来た人ですよ!」と復帰への太鼓判を押している。

 このように、時間の経過とともに、負傷直後に流れた不安と心配は徐々に薄れ、期待の空気が膨らんでいる。「サネッティは私がこの世で知る中で、一番前向きな人間」と言うコルドバ(昨年までインテルの選手で、現チームマネージャー)は、手術翌日に病院へ彼を見舞った後、このようなコメントを残している。

「彼は何かあるとすぐにその解決策を考える。今までずっとそうだったし、今もそうだよ」

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