【CL】レアル、バルサ敗退の真相。欧州勢力地図は変わったのか? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

 今回のドイツ勢同士による決勝対決は、ドイツ時代の到来を予感させるとの声を聞く。しかし、現状ではバイエルン、ドルトムントとそれ以外のチームとの間には大きな差がある。国内リーグの5位のチーム、10位のチームの実力を、たとえばスペインと比較すると、軍配はドイツには上がらない。

 それはイングランド(プレミア)が、スペインにカントリーランキング1位の座を明け渡した理由とも大きな関係がある。自国選手がリーグ全体に占める割合に関係している。スペインは高いがイングランドは低い。外国人選手に依存する傾向が強い。ドイツもしかり。決して高くない。ロシアなど一部の例外を除き、欧州にいま、選手獲得に大金を掛けられる国は少ない。その国のリーグのレベルは、自国選手のレベルに反映されやすくなっている。

 スペイン代表が世界のトップクラスを維持する限り、リーグのレベルが凋落することはない。スペイン代表のレベルとスペインリーグのレベルとは、密接な関係にあることは、これまでの流れを見れば一目瞭然になる。

 ドイツ時代到来か。これもドイツ代表の成績を通して占える。代表チームの成績でもスペインを上回ることができるか。もっといえば、どちらの国の若手に優秀な選手がいるか。「時代」を占うカギはここにあると僕は思う。

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