2013.04.28

サンダーランドのイタリア人監督、ディカーニオの政治的信条とは?

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 ディカーニオは2002年にイタリアの政治家について不満を漏らし、「ムソリーニが生きていれば、こんな社会にはなっていなかった」と言ったが、このときは自分はファシストではないとつけ加えた。「ムソリーニを支持する」という発言と「自分はファシストではない」という言葉が矛盾して聞こえるだけで、潔く感じられない。

 現在のディカーニオは、そんな騒動などなかったかのように振る舞っている。サンダーランドの監督に就任した直後には、ファシズムについての発言は誤って引用されていると語った(自伝での発言もそうだというのだろうか)。ディカーニオは、親友のなかに黒人が何人かいるとも言った(自分はレイシストではないと言いたいのだろう)。

 その直後、ディカーニオは「私はファシズムのイデオロギーを支持していない」とまで言った。フット教授は言う。「むしろ、自分はファシストだとはっきり言っていれば、彼をもっと尊敬できた。だが彼は逃げを打った。これこそマッチョな態度とは言えない」

 救いがあるとすれば、このファシズム支持者がただのフットボールクラブの監督であり、政情不安を抱えるヨーロッパのどこかの国の大物政治家ではないということだろう。

From The Financial Times © The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved.

前編を読む>>

関連記事