【CL】ドルトムント大勝。クロップ監督「全選手にハグをした」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 一方のレアルは、押し込まれた状態が続いて攻撃に手数がかけられない。モドリッチ、クリスティアーノ・ロナウド、エジル、イグアインの4人がカウンターを繰り出すが、ペナルティエリアに侵入できない。ドルトムントの最終ラインにボールを奪われると、そこから始まる攻撃で主導権を奪われる。その繰り返しだった。

「最初の25分間、我々は偉大だった」と、クロップはスタートダッシュに成功したことを認めている。

 8分、ギュンドアンが左サイドに展開、最後はレバンドフスキーがクロスにつめて先制ゴールを決める。だが43分にはフンメルスのミスを拾われ、クリスティアーノ・ロナウドの一撃で試合は振り出しに戻る。アウェーゴールを考えれば、この時点でレアルが優位に立ったことになる。

 だが、ハーフタイムにドルトムントのスイッチが入る。

「うまくプレイできていた(前半の)早い時間帯のようにプレイをしようと話をした。英語でなんと言えばいいか分からないが、後半に向けて何かがクリックされたようだった」と、クロップは表現した。

「僕は全選手にハグをした。彼らにはそれがふさわしかったからだ」

 後半に入ると一気にたたみかけた。レバンドフスキーの50分の得点は後方からのパスを受けターンからシュートしたもの。55分には味方のシュート気味のボールをディフェンダーの間で巧みにコントロールして右足を振り抜いた。どちらも押し込んだ状態での得点だったのがドルトムントらしかった。

「前半に追いつかれていなかったら、後半に3点もとれていたかどうかは疑わしい。我々はギアを入れることで、ミスを避けることもできた」と、クロップは冷静だった。そしてこう付け加えることも忘れない。

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