【CL】バルサを粉砕!バイエルン快勝の裏側にあった地元メディアとの攻防 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 日頃クラブと良好な関係を築いていることが傍目(はため)に明らかなビルトやキッカーだが「クラブはこの件に関して取材に応じなかった」と、この件ではバイエルンを厳しく責め立てている。バルセロナ戦も「ヘーネスは試合に来るのだろうか?」が話題のひとつになっていた。

 23日のバルサ戦当日にはもうひとつ、大金が関わるニュースが入ってきた。ビルトが独占で報じたのは、ドルトムントの10番、マリオ・ゲッツェのバイエルン移籍だった。同日の夕方、両クラブは公式にこれを認めた。

 ゲッツェといえば、ドルトムントだけでなくドイツ代表の次世代エース。テクニックに優れ、巧みなボールコントロールと高いキープ力を誇る。8歳からドルトムントに所属する生え抜きで、ここ3シーズンはドルトムントの核だった。

 バイエルンに比べれば育成型クラブの色が濃いドルトムントだが、香川真司をはじめ、ビッグクラブへのステップアップを望むのは外国人選手だった。それだけにゲッツェがよりによってバイエルンに移籍したことは晴天の霹靂(へきれき)だった。ビルトによれば移籍金は3700万ユーロ(キッカーによると3800万ユーロ)で、ドイツ人としては過去最高額となる。

 23日、ドルトムントは公式サイトでヴァツケCEOは「我々にとっては極めて残念だが、マリオと代理人の行動が契約内容を遵守するものであることを強調したい」と、コメントを発表。またクロップ監督は「グアルディオラの下でプレイしたいのだろう」と理解を示していた。

 もうひとつのチャンピオンズリーグ準決勝、レアル・マドリード戦を前にしたこの報道がドルトムントにとって最悪のタイミングだったことだけは確か。サポーター感情も大いに逆撫でしたに違いない。バイエルンに続き、ドルトムントも雑音を封じるような試合を見せることができるだろうか。

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