日本人対決で乾貴士に手を焼いた内田篤人、「あいつ、狙ってる?」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 乾は「おれはああいうところが弱い。ああいうところで競り勝てればもっといけたんじゃとないかと思うけど、完全に負けました」と、そのシーンを振り返った。

 一方の内田も乾に手を焼いた様子。「あいつ、なんかフラフラしてるからさ。狙っているのかさぼっているのかわからないけど。2回くらい危ないときがあったから、あれは狙ってるのかな? 失点はしてないから守れていると言えるとは思うけど、ああいう風に残られていると、イヤだよね」と、まくしたてた。

 この日。両チーム合わせて唯一の得点は41分。フランクフルトが得たFKをルスが頭で合わせたものだった。このFKにつながったのも、乾と内田の攻防からだった。左サイドをゴール前にドリブルで侵入しようとする乾を内田がチャージ。乾が倒れたことで与えられたファウルだった。

「あいつはわざとこけるようなヤツじゃないから、たぶんファウル。VTRを見てないから何とも言えないけど」と、内田はサバサバと振り返る。

 乾は39分にシュートがポストを叩き、後半56分にもゴール左へ流れる惜しいシュートを放った。チャンスをものにできなかっただけに、試合に勝利したにもかかわらず悔しさを露にした。

「シュートチャンスが何回かあったし、それを決めないといけない。あとあまりボールに絡めなかったので、もう少し絡みたいと思います」

 内田は右サイドでのバストスとの関係が、ファルファンとの時ほどしっくりこない様子だ。

「ファルファンだったらサイドに張るからスペースをあけたいと思うけど、人が変わるとまた変わってしまう」

 バストスとのコンビはまだ2試合目。少し時間をかけるしかなさそうだ。

 フランクフルトはこの試合に1-0で勝利を収め、順位は変わらないものの、4位シャルケの勝ち点が46、5位フライブルクと6位フランクフルトの勝ち点が45となった。今季の残りは4試合。彼らにとって、最後まで気が抜けない試合が続きそうだ。

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