長友佑都だけではない。インテルに故障者続出の理由 (2ページ目)

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by GettyImages

 インテルを見ていると、つい2年前のユベントスが思い起こされる。

 カペッロという"君主"のもとで頂点に立っていたユーベは、カルチョスキャンダルを境に復権に苦労した。特に2009年からの2シーズンは、故障者続出で勝てなくなり自信を喪失する負の連鎖が発生して2年連続のセリエA7位に。今、同じ7位という順位に立つネラッズーリ(インテル)がまさにあの時のビアンコネーリ(ユーベ)である。

 2011年、ユーベはコンテという現場からフロントまでを引きこむカリスマを得て、一躍セリエAの頂点へと返り咲いた。一方のインテルは、モウリーニョという大船長を失って徐々に沈没していっているかのようだ。

 だが、モラッティ(インテル会長)は今までのように監督を追い払うことはないだろう。彼は若いストラマッチョーニに時間を与える覚悟をしていたし、何よりもモラッティ自らが抜擢した監督だからだ。彼を切ることはすなわち自分の失敗を認めることになるのである。メディア上ではスパレッティ(現ゼニト監督)やマッザーリ(現ナポリ監督)など後任の名前がのぼったりもしているが、現段階ではどれも本腰を入れて話し合われているものではなさそうだ。

 とはいえ、スクデット争いどころか、ヨーロッパリーグ出場権からも後退し、コッパ・イタリアも失った今、モラッティの"覚悟"が何かの拍子にぐらついてもおかしくない状況にあるのも事実。そのことは、ストラマッチョーニも、マスコミもよくわかっている。

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