【スペイン】フランスを圧倒し首位奪回。W杯連覇に死角はあるか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

先制ゴールを決めて喜ぶペドロ(左)とシャビ・アロンソ先制ゴールを決めて喜ぶペドロ(左)とシャビ・アロンソ 4日前、スペインはホームでフィンランドに敗れ、フランスは同じくホームでグルジアに勝利を収めていた。W杯欧州予選I組。この結果、それまで得失点差で2位に甘んじていたフランスは、スペインをかわし首位の座についた。

 3月26日。世界各地で30試合以上の予選が行なわれたが、最大の注目カードはパリの「スタッド・ドゥ・フランス」で行われたフランスとスペインの直接対決といえた。

 マドリードの「ビセンテ・カルデロン」で行なわれたスペインホームの一戦は1対1。フランスの健闘が光った試合だった。ユーロ2008、2010年W杯、そしてユーロ2012と、世界的な公式大会で3回続けて勝っているスペインは下り坂を迎えているのか。この折り返しの試合は、来年のW杯本大会を占う意味でも見逃せない一戦となった。

 22対78。前半終了時のボール支配率は、度を超えた開きがあった。スペインのサッカーはバルサ同様、高いボール支配率に特徴があるが、アウェーでここまで差をつけるケースは珍しい。

 フランスにもチャンスはあった。スペインのボールをいい形でカットしたときには、必ずといっていいほどスペインゴール近くまで攻め入った。回数でいえば3~4回。それを多いと見るか、少ないと見るか。「ビセンテ・カルデロン」での第1戦は、そこまでの差はなかった。フランスはもう少し多くのチャンスをつかんでいた。

 ほぼ互角に組み合った前回に対し、今回は一方的に支配された。フランスはホーム戦であるにもかかわらず、攻撃は逆襲のみに限られた。前半の結果は0対0。この事実をどう受け止めるか。満足したのはどちらだったのか。

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