【ドイツ】内田篤人、復帰戦で2アシスト。「試合前に要求された」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Kenzo Koba

 もっとも2日前に「90分はまだ無理だと思う」と答えた内田に対し、「様子を見よう」と言いながら、結局はフル出場させるあたり、シャルケの台所事情の苦しさも感じられる。

 そのドルトムント戦。内田は立ち上がりから飛ばした。前回の復帰戦となったハノーファー戦では「今日は2キロくらいしか走ってないでしょ?」と言うほど、故障の箇所を気にしながらのプレイだったが、今回は違った。攻撃的に高い位置をとることで、相手の攻撃を封じ、完全に右サイドで主導権を握った。

「それもあるけれど、向こうが勝手にミスをしてくれた」
 
 アシストとなった2本のクロス、ともに相手陣内に攻め込んでの右足から。先制点のドラクスラーは右足で、2点目のフンテラールはヘディングで決めた。
「アシストはおまけみたいなもの。シュートが難しかった」と、味方を称えてみせるところが内田らしい。

 実はフンテラールからは、試合前の散歩中に要求されていたのだと言う。

「今日はオレを見ろ、と言われた。たとえ(数的状況が)2対1でも入れろ、とか。サッカー以外のいろいろな話をした。30分くらい。でも雨だったから、相合傘だったのが(笑)。フンテラールのアシストをしたいなと思ってました」

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