【CL】マンU敗退。C・ロナウドと香川真司、それぞれの胸中 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 しかし波乱はこの後に起きる。後半11分、ナニがアルベロアへのファウルで一発退場となったのだ。

 この後のマンUは防戦一方になる。さらにレアルはアルベロアに代えてモドリッチを投入。すると、人数が減り、受け身の守備にならざるを得ないマンU守備陣を苦しめる運動量とスピードで、流れは一気にレアルのものとなった。後半22分、そのモドリッチのシュートがポストに当たりながら入ってしまう。すると続く24分にはイグアインのクロスをロナウドが押し込んで逆転に成功した。ロナウドは静かに喜びを噛み締めていた。

「この2戦、中でも特に今日は情熱的だった。サポーターたちは僕を消極的にし、僕はいつも通りのプレイができなかった」と、ロナウドは複雑だった心境を素直に明かした。

 ノリッジ戦に続き先発が期待された香川真司だが、この日は出場機会がなかった。ルーニーもベンチスタートとなり、先発したのは公式戦1000試合出場となるギグスだった。ファーガソン監督に代わって記者会見に出席したフェランコーチは、報道陣からリーグ戦からのメンバー変更の理由を問われた。

「戦術的な理由から。ルーニーや香川がベンチだったことも含めて。みんなフィットしているし、今日の我々は良いバランスだった」と胸を張ったが、敗戦の後とあっては空しく響くのみだった。

 香川は珍しくミックスゾーンを通らずにスタジアムを後にした。普段は丁寧に取材対応をする選手であり、これは非常に珍しい。ノリッジ戦でのハットトリックの後には、この試合への強い意欲を示していただけに、悔しさが募るのかもしれない。香川のマンU移籍は、チャンピオンズリーグでの上位進出を夢見てのものでもあった。いつの日か、香川はこの悔しさを晴らすことができるだろうか。

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