【スペイン】レアル・マドリードは香川真司をどう見ているのか (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi

「現実を知っただけです」と、香川が試合後に語ったベルナベウでの第1戦。DFラインの裏を取る動き出しの良さを見せ、先制点に繋がるCKを誘発した香川だが、足元でボールを受けた時にはシャビ・アロンソ、ケディラの厳しいプレスに前を向くことができないシーンも少なくはなかった。

 MARCAでは「マンチェスターのチャンスを演出していたが、消えていた時間が長かった」という選手個人の寸評が唯一の記述。AS紙に関して言えば「バイエルンファンのドイツ人主審が、香川が最後に触ったボールをCKにし、そこから得点が生まれた」と、判定への不満を述べるための材料にその名が登場しただけで、第1戦の香川のパフォーマンスはインパクトを残せたとは言えない。

 だが、ノリッジ戦でハットトリックを決めたことで、レアル・マドリードの選手、そしてモウリーニョのメモにケアが必要な選手としてその名前が刻み込まれことは間違いない。そしてこの活躍により、オールド・トラフォードで行なわれるチャンピオンズリーグの第2戦では、香川はノーマークだった第1戦以上に厳しいマドリード守備陣のチェックを受けることになるはずだ。

 香川が相対するのは、メッシを封じることに成功し、大きな自信を手にしている世界トップクラスの守備を誇るレアル・マドリードだ。乗り超えなければならない壁はとてつもなく高い。そんなレアル・マドリードの選手たちを脅かすようなパフォーマンスを、香川は見せてくれるだろうか。

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