【ドイツ】得点不足だけではないシュツットガルト岡崎慎司の苦悩 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Kenzo Koba

 確かに攻撃のポジションで求められる、得点という結果を出すことができてはいない。それ以外に思い当たる理由はなく、一方で代わりに出た選手が結果を残したわけではない。自然と疑問が沸き、解決策へ思いを巡らすものの、結論は出ない。 

 「今はちょっと頭の中がグルグルしてる」と、苦笑いするような状態だ。

 4連敗で始まった後半戦はチームも苦しんでいる。結果だけではない。岡崎だけでなく、酒井高徳も口にするのが「チーム全体のバランスの悪さ」だ。

 基本的に4-2-3-1システムのシュツットガルトだが、右MFのハルニクはひたすらに右に張り続ける。中央に入って受けることがあっても、中途半端なプレイでミスをする。このところ、酒井がセットプレイを蹴ることが多いのだが、その後の右サイドのケアをするでもない。右で縦のコンビを組む酒井は結局、自分が守備的になるしかないという結論に至った。

「戻れと言っても戻らない。本人が気づくしかないから、自分はバランスを取るためにやっぱり守備的にやるしかない。守備が課題だって言われ続けたから良いチャンス」と、本人はポジティブにとらえているが。

 ハルニクと並んでバランスを崩しているのはボランチでプレイするゲントナーだ。トップ下の岡崎を越えてゴール前でプレイし、しばしばポジションは逆転する。

「みんなが前に行った状態で4トップみたいな感じになってしまう。自分は空いた中盤で受けた時にミスをすることもあるけれど、自然に中盤に入っているわけではなくて、そこを誰かがやらなきゃというのでやっている。だからなかなか自分のリズムでプレイできず、ミスしてしまう」

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