【ドイツ】ニュルンベルク久々の勝利。胸を撫で下ろした清武弘嗣 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 前半30分には早くもニュルンベルクが追加点をあげる。相手の中盤がボール扱いをもたついたところに、清武がプレスをかけて奪うと、そのまま前へ運ぶ。タイミングを見計らって左サイドを走るペクハルトへパス。ペクハルトはそのままドリブルで進み左足でゴールに流し込んだ。清武は「パスが少しうしろにいったから、シュートを褒めるべき」と、味方のシュートを称えている。

 2-0とリードして折り返したが、後半に入るとボルシアMGが一気に攻勢に出る。特にデヨングと2トップを組むヘアマンのキレが増した。とにかく仕掛けてシュート、を繰り返し、驚くほどの体力とスピードで最後までニュルンベルクを苦しめた。58分の得点もそのヘアマンのスピードを生かしたもの。セットプレイのロングボールをデヨングがゴール前で落とすと、ヘアマンは裏へと飛び出しそのままシュートを決めた。

 2-1となり、さらにボルシアMGは強烈なカウンターを繰り出すようになる。ペクハルトに代えて前線にポルターを投入しても劣勢に立たされたままのニュルンベルクだったが、どうにかしのいでそのまま逃げ切ることに成功した。

 残念だったのは、試合終盤に出場のチャンスがありそうだった金崎が、その機会を得ずに終わったことだ。味方の守備的な選手が足をつったためだったが、金崎は「スタジアムの雰囲気を味わうことができて良かった」と、気にするそぶりもなかった。

 この日のスタジアムには37793人が入場、キャパシティに対して8割が埋まっている程度だった。ブンデスリーガの中では「がらがら」に入る部類だが、それでも熱気に満ちていた。客席からは早くも金崎へのチャントが響き、歓迎ムードを感じさせた。
 
 この勝利でニュルンベルクは順位を一つあげ14位となった。一歩一歩ではあるが、確実に降格圏内を脱しつつある。

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