【イングランド】13戦無敗も、香川真司不在のマンUに大きな問題点

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 後半、フラムは先手をとって選手交代を行ない、勝ち点3を取りにいった。これに対してマンUは相手の攻撃をしのぐので精一杯。その流れが変わったのは、66分 のエルナンデス投入以降だ。布陣をファン・ペルシーとエルナンデスの2トップに変え、ルーニーは左サイドへと下りた。前線にエルナンデスが張ることで守備は引きつけられ、逆にルーニーとファン・ペルシーが生きてくる。待望の得点は79分。左サイドでエバンスからのパスに抜け出したルーニーがペナルティエリアに侵入、GKとの1対1を落ち着いて制し、右足でゴール右隅に突き刺した。

 守備的に移行する意図もあり、84分にはナニに替えてウェルベックを投入するが、試合の最終盤、マンUはここ最近のお決まりのように猛攻を受けることになる。サウサンプトン戦もそうだったが、試合の終わらせ方に難があるのが今のマンU。守備においても強力な個を持つ選手は多く、最終的にはその力で防いでいるようなものだ

 試合は1-0のまま終了し、「ファン・ペルシーにもチチャリート(エルナンデス)にもチャンスはあったし、前半は3度も枠に弾かれた。それだけに勝利で終わるべき試合だった」(公式サイトより)と、 ファーガソン監督。だからこそ「素晴らしい結果だ」とご満悦の様子だった。これで25試合を消化し、2位マンチェスター・シティに勝ち点差10をつけることとなった。

 出場機会のなかった香川だが、試合翌日には日本代表に合流するために帰国する。ラトビア戦を戦い、週末は戻ってエバートン戦、そして来週にはアウェーでチャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦が待ち受ける。そんなスケジュールを見越しての温存だったのだろうが、攻撃のリズムが出ない時間帯に、あらためてその存在感を感じる一戦でもあった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る