【ロシア】本田圭佑の移籍話がいつも噂で終わってしまうワケ (3ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 つい最近でも、CSKAモスクワからフラメンゴ(ブラジル)へのレンタル移籍を経て、昨年1月にはフラメンゴへ完全移籍を果たしたFWヴァグネル・ラブが、再びCSKAモスクワに戻されるという“悲劇”が発生している。理由は、フラメンゴが移籍金約12億円の分割払いという当時の契約を反故にし、半額以上の支払いを滞納していたからだという。

 この事件の当事者でもあるCSKAモスクワは、同じ昨年の冬のマーケットで「本田をラツィオに売らないで良かった」と、今頃胸を撫で下ろしているかもしれない。

 何にせよ、資源バブルで潤っているロシア経済の影響もあり、今やロシアのクラブは経済的に余裕がある。とりわけ、ロシアのビッグクラブであるCSKAモスクワはお金に困っていない。ベンチを温めている選手ならいざ知らず、多少高額年俸であってもレギュラーメンバーを積極的に売り出す必要性などまったくないのだ。

 こうしてみると、移籍を望む本田としては、まさに八方塞がりといった状況にあるが、希望の光はまだ残されているという。ポイントは、本田とCSKAモスクワの契約が2013年12月まで、というところにあるようだ。

 前述の鈴木氏は、本田の移籍の可能性について、「今年の夏がラストチャンス。移籍を希望する本田がCSKAモスクワとの契約を延長するとは考えにくく、逆にCSKAモスクワは本田をタダで放出したくはない。そうなると、CSKAモスクワにとってもこの夏が本田を売る最後のチャンスとなるかもしれないので、ある程度条件が下がる可能性は十分考えられる」と読む。

 どうやら、本田が日本代表の一員としてコンフェデレーションズカップに挑んでいる6月、彼の移籍話は再燃しそうだ。各メディアでは、かつてないほどの騒ぎになるだろう。

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