【イングランド】香川真司、移籍後のベストパフォーマンス。躍動の理由は? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 だがこの日は、圧倒的に視野の広いルーニーとファン・ペルシーの2人が前線にそろったことで、逆に香川のチャンスも増えた。3分に先制された直後の5分、まずはルーニーから香川へとペナルティエリア内にスルーパスが通る。惜しくもこれは得点にはつながらなかったが、ゴール前で味方がスルーパスを出してくれる状況自体がこれまでにはなかったことだ。

 ついで同点になった8分のシーン。味方の右サイドのスローインからパスがつながり、相手ディフェンダーがスライディングでカットしたボールを、香川が浮き球のスルーパスでダイレクトにゴール前へ送り込む。ペナルティエリア内のルーニーは素早く反応し、ディフェンダーに挟まれながらも冷静にゴール左隅に流し込んだ。

「スルーパスを出したら上手く決めてくれた」(香川)

 個人技ではなくコンビネーションから生まれた会心のゴール。テレビ中継局であるスカイも、ウェブサイトで今日のゴールとして取り上げ、香川のパスを称えた。

 対戦した吉田麻也は苦笑いで振り返る。

「シンジとファン・ペルシーだけにはやられたくないと思ってたら、ルーニーにまんまとやられた。大変ですね、マンチェスター・ユナイテッドに勝つのは」

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