【ドイツ】リーグ戦再開。チーム事情の変化に苦しむ日本人選手たち (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 一方、フランクフルトの乾貴士は先発出場。だが目立った活躍はなく、ゴール前での見せ場もなかった。チーム内での評価は確かなものがあるが、ムラをなくしたいところ。結果は3-1でレバークーゼンが勝利を収めている。

 20日に行なわれたニュルンベルク対ハンブルガー戦。ニュルンベルクの清武弘嗣は今季初めてのベンチスタートとなった。本人によれば、「試合の週に入って練習でもスタメン組から外れていたから、試合でも外れるニオイがあった」とのこと。ビージンガー新監督は「なぜ清武を外したのか」という質問に対して、「練習でのパフォーマンスが低下していたから外した」と記者会見でコメントしている。この質問はキッカー誌のドイツ人記者がしたもので、それだけ前半戦のプレイが現地メディアからも高い評価を得ている証と見ていいだろう。

 代わりにポジションを奪った形のマクは、右サイドでボールキープすることのできる選手。技術は高く、セットプレイも蹴るが、清武よりも目に見えて優れているというわけではない。清武は76分から途中出場したが、ボールタッチはわずかに3回で、途中出場の難しさを感じさせた。

 清武は試合後、「もうやることは決まっているし、もう一度自分を信じてやるだけ」と、きっぱりと語っている。チャンスをうかがいながら、練習から信頼を積み重ねていくしかない。

 デュッセルドルフ対アウフスブルク戦。ベンチスタートの大前は69分からの途中出場でデビューを果たした。2点を先行される中で投入されるが、2分後には追加点を奪われる。前半戦、堅守で鳴らしたチームとは思えないほどこの日の守備はまずく、特に最終ラインとGKの連係が悪い。3失点のうち1点は無理なバックパスから。もう1点は慌てたバックパスをGKがクリアしたところを相手に体で押し込まれた。

 大前は本来のポジションである右サイドでプレイ。試合の数日前に「もっと自分の持ち味を発揮できるはず」と話していたように、時間をかけて慣れていく必要がある。試合はその後デュッセルドルフが2点を返したものの、2-3で敗れている。

 後半戦開幕節の日本人選手は総じて苦しんでいる様子だった。ビルト紙での評価は平均以下の4と5だけが並んだ。刻々と変化していくチームの中で、復調していくのを待つことにしたい。

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