【イングランド】冬の移籍マーケットはプレミア中心。まさかの「電撃移籍」あるか? (2ページ目)

  • 鈴木英寿●取材・文 text by Suzuki Hidetoshi
  • photo by AFLO

 一見して分かるとおり、ほとんどが30代のベテランだ。また、「さすがにもう移籍はないだろう」と思われる選手も、ギグスやスコールズを筆頭に多く含まれている。しかし、アシュリー・コールやウォルコット、そしてランパードの3人は、この冬の話題の中心であったことは間違いないだろう。

 ただ、話題の中心とはいえ、残り数週間となった今冬のマーケット中に3人が必ず移籍するというわけではない。まず、アシュリー・コールに関していえば、この冬での移籍はないだろうというのが大方の見解だ。しかし、オーナーのロマン・アブラモビッチは「高給取りの30代選手を切って若返りを図る」という方針を強化サイドに伝達済みとのこと。来夏にパリ・サンジェルマンへ移籍するという話も浮上している。

 また、新契約交渉で揺れていたウォルコットも、「フォワードとしての起用」と「サラリーの増額」にアーセナル側が折れる格好で、ほぼ合意に達しつつあるようだ。アーセナルはチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに駒を進め、選手層を薄くするわけにはいかなくなったことで、現地メディアは「この冬での移籍はまずなくなった」と見ている。

 そんな中、A・コールやウォルコットと異なり、依然としてヨーロッパ最大の話題であり続けているのが、ランパードの去就である。

 アブラモビッチに近いクラブ消息筋や、ランパードの代理人の情報など、さまざまなコメントがイングランド各紙で連日報道されてきた。だが最終的には、近い将来チェルシーを離れる可能性が濃厚となっている。これもA・コール同様、アブラモビッチによる『リストラ』の一環だ。

 これに目を付けたのが、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督である。ファーガソンはなんと、A・コールとランパードをセットで連れてこようと目論んでいるようなのだ。

 チェルシーに忠誠を尽くすランパードだけに、冬に動く可能性は低い。だが、「永遠に続くことはないかも知れない」という本人の言葉から推測するに、すでに腹はくくっていると見るべきだ。魅力的なオファーが届けば、この冬にもプレミア屈指のビッグネームがスタンフォード・ブリッジ(チェルシーの本拠地)を離れるかも知れないのである。移籍マーケットの締め切り期限まであと半月――、まだ油断できそうもない。

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