【フランス】2002年W杯、フランスがグループリーグで敗退した理由 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • ロイター/アフロ●写真

他にもFWアネルカ、シセ、MFプティ、ピレス、DFルブフ、カンデラらがおり、層の厚さでも群を抜いていた他にもFWアネルカ、シセ、MFプティ、ピレス、DFルブフ、カンデラらがおり、層の厚さでも群を抜いていた チャンピオンズリーグ決勝の3日後、パリのスタッド・ドゥ・フランスでは、2002年日韓共催W杯に旅立つフランス代表の壮行試合、対ベルギー戦が行なわれた。

 ジダンはさすがにお休みした。しかし、おなじみのメンバーで固められたその他はベスト。開始前のスタンドは、自国の代表が3-0ぐらいのスコアで勝ちそうな、のんびりとしたムードに包まれていた。ところが、意外にも試合はベルギーの先制で始まる。

 フランスは強者で、しかもホーム戦。W杯の優勝候補の筆頭だ。その直後からフランスは猛反撃を開始するものと思われた。

 それでもフランスの反発力は鈍かった。39分に同点ゴールを挙げたが、これを機にベルギーが崩れていきそうなムードにはならなかった。両者互角。試合終盤、敗戦を恐れたのはむしろフランスのほうだった。

 フランスという横綱が、引き分けオッケーともいうべき守備固めに入る姿は、事件に等しいものがあった。どうしちゃったんだ、フランスは。そしてその思いは、ロスタイムにより鮮明なものとなった。ベルギーに決勝ゴールを叩き込まれてしまったからだ。それは98年W杯、ユーロ2000の戦いぶりを見たものには、信じがたい光景として映った。

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